社会保険労務士の歴史について解説
はじめに
社会保険労務士制度は、2018年に制度創設50周年を迎えました。ちょうどその頃、私は山口県社会保険労務士会の事業委員会の委員をしていたので、山口県社会保険労務士会が実施する50周年記念式典の準備のお手伝いをしていました。50周年を迎えることができたのも、先輩方のおかげと実感できる式典でした。
今回は、私が生業としている社会保険労務士の歴史について解説します。
社会保険労務士の歴史
戦後の復興期に合わせて日本の雇用・労働体制が確立されるとともに、社会保障制度の整備が急ピッチで進められました。
これに伴い、多様化した中小企業の労務管理への対応及び社会保険に関する事務処理に専門的な知識・経験が必要とされるようになり、自然発生的にこれらの事務を専門的に行う職業が生まれました。
一方で、これらの代行業務を請け負うにあたって著しく高額な報酬を求めたり、あるいは労働争議に不当に介入する者が現れ、「業者団体を結成し、自主的な規律の確立と資質の向上を図るべき」という機運が高まるようになりました。
こうした流れを受け「労務管理士」と「社会保険士」が誕生しました。
その後「労務管理士」と「社会保険士」は広く認知され、社会における重要度も増していきました。
そのような動きを受け、両制度を併せて法制化する動きが活発となり、1968年6月3日に「社労士法」が公布され、同年12月2日に施行されました。
法制定当時は、(社)日本労務管理士協会、(社)日本社会保険士協会を中心に多数の類似小団体が併存していましたが、1978年5月 第1次法改正が行われ、社労士制度の法定団体として、都道府県ごとに「社会保険労務士会」が、そして社労士会の連合組織として「全国社会保険労務士会連合会」が設置されました。
※上記は、全国社会保険労務士会連合会が作成した社労士のパンフレットに記載されている歴史です。
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社会保険労務士の年表
昭和23年 | “労務管理代行業者”民間に現れる |
昭和29年 | 業者団体設立の動き出る |
昭和30年1月 | 東京都労働事務管理団体連合会発足 |
東京都労働事務管理団体連合会 、「労働管理士制度」法制化をすすめる | |
昭和31年12月 | (社)労務管理協会発足 |
昭和34年5月 | 日本労務管理士連合会発足 |
昭和36年 | 社会保険協会、「社会保険相談員制度」を設置し中小企業の巡回指導をはじめる |
昭和37年 | 「社会保険士制度」法制化の動き出る |
昭和38年9月 | (社)日本労務管理協会発足 |
昭和40年8月 | (社)日本労務管理協会が(社)日本労務管理士協会 と名称変更 |
昭和42年2月 | (社)日本社会保険士会発足 |
昭和43年6月 | 社会保険労務士法公布 |
昭和43年12月 | 社会保険労務士法施行 |
昭和44年11月 | 第1回社労士試験実施 |
昭和46年8月 | (社) 社会保険士会が(社)日本社会保険労務士会と名称変更 |
昭和46年 10月 | (社)日本労務管理士協会解散 |
(社)日本社会保険労務士会連合会発足 | |
昭和51年9月 | (社) 全国社会保険労務士会発足 |
昭和53年9月 | 第1次社会保険労務士法改正施行(提出代行業務 、法定団体化) |
昭和53年10月 | 山口県社会保険労務士会設立認可、会則施行 |
昭和53年12月 | 全国社会保険労務士会連合会設立総会開催 |
昭和54年1月 | 全国社会保険労務士会連合会 、登記完了 |
昭和57年4月 | 第2次社会保険労務士法改正施行(登録制 、2年以上の実務) |
昭和61年10月 | 第3次社会保険労務士法改正施行(事務代理 、研修の義務 、勤務社労士の規定整備) |
平成6年4月 | 第4次社会保険労務士法改正施行(労務管理の明確化、登録即入会制) |
平成10年10月 | 第5次社会保険労務士法改正施行(試験事務委託 、審査請求の事務代理) |
平成15年4月 | 第6次社会保険労務士法改正施行(社労士法人 、個別労働紛争調整委員会におけるあっせん代理) |
平成15年9月 | 全国社会保険労務士会連合会認証局開設 |
平成18年3月 | 第7次社会保険労務士法改正1次施行(紛争解決手続代理業務研修・試験に関する事項、労働紛争不介入規定削除) |
平成19年4月 | 第7次社会保険労務士法改正2次施行(紛争解決手続代理業務の拡大) |
平成19年11月 | 社会保険労務士総合研究機構発足 |
平成20年3月 | SRP認証制度運営開始 |
平成21年10月 | 全国社会保険労務士会連合会において「総合労働相談所」を開設 |
平成22年1月 | 日本年金機構から街角の年金相談センター運営を受託 |
街角の年金相談センター防府開所 | |
平成22年4月 | 山口県社労士会労働紛争解決センター認証 |
平成22年12月 | 連合会のホームページにe-ラーニングシステムの「社会保険労務士研修システム」が 開設 |
平成26年1月 | 社労士制度創設45周年記念式典を東京で開催 |
平成26年 11月 | サイバー法人台帳ROBINSによる経営労務診断サービス開始 |
平成27年4月 | 第8次社会保険労務士法改正 1次施行(個別労働関係紛争に関する民間紛争解決手続における紛争目的価格の上限引き上げ、補佐人制度の創設) |
平成28年1月 | 第8次社会保険労務士法改正 2次施行(社員が1人の社会保険労務士法人制度の創設) |
平成28年6月 | SRPⅡ認証制度運営開始 |
平成29年6月 | 「働き方改革支援宣言」を 理事会で決議 |
平成30年4月 | 連合会が健全なグローバル化と持続可能な社会の実現に向けて活動を推進するため、「国連グローバル・コンパクト」に署名 |
平成30年12月 | 社労士制度創設50周年記念式典を東京で開催 |
※上記の年表は、山口県会社会保険労務士会が50周年のときの作成した年表です。
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木戸社会保険労務士事務所の開設の経緯
木戸社会保険労務士事務所は、私の母方の祖父の木戸琢磨が昭和44年11月18日に開設しました。
その経緯を説明します。
昭和44年6月8日に社労士の試験を受験する
全国社会保険労務士会連合会が発行した「社会保険労務士制度五十年の歩み」のP38によると、資格の特例扱いによる選考考査のようです。
札幌、仙台、東京、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、熊本の全国10都市で行われています。
詳細は不明ですが、祖父は特例扱いの対象となる何らかの資格を有していたと思われます。
昭和44年7月31日付で合格通知が届く
昭和44年11月17日 社会保険労務士免許証の交付を受ける
昭和44年11月18日 社会保険労務士業開始届を提出する
開設の経緯は、上記の流れとなっています。
そのため、木戸社会保険労務士事務所の創業記念日は、11月18日にしています。
あと、免許証の日付については昭和44年10月1日となっています。
まとめ
以上が社会保険労務士と木戸社会保険労務士事務所の歴史となります。
ちなみに私は、2002年8月1日付で社会保険労務士の登録をしました。
そのため、2022年で社会保険労務士になってから20年を迎えることになります。
これもひとえに皆様のご愛顧とご支援によるものと深く感謝しております。
木戸社会保険労務士事務所は、伝統を守りつつ、変化に対応できるようにして、次の100周年を迎えることが出来るようにしたいと思います。
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投稿者プロフィール
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木戸社会保険労務士事務所の三代目の石田厳志と申します。当事務所は、私の祖父の初代所長木戸琢磨が昭和44年に開業し、長年に渡って企業の発展と、そしてそこで働く従業員の方々の福祉の向上を目指し、多くの皆様に支えられて社会保険労務士業を行ってまいりました。
当事務所は『労働保険・社会保険の手続』『給与計算』『就業規則の作成・労働トラブルの相談』『役所の調査への対応』『障害年金の請求』等を主たる業務としており、経営者の困り事を解決するために、日々尽力しています。経営者の方々の身近で頼れる相談相手をモットーに、きめ細かくお客様目線で真摯に対応させていただきます。
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